親切のつもりが他人を傷つける
他人の心に踏み込まない 、良好な人間関係を作るには大事なこと。
人間関係がベタベタしているとトラブルの元となる。
つい他人の心に入り込みすぎて、自分も他人も傷つけていませんか?
親切が優越感になっていないか
人に優しくしている自分が好きなだけで、一番は自分、相手は二の次。
褒めて欲しい、好きになって欲しい、認めて欲しい。
欲しい欲しい病にいつのまにか病んでしまっている。
親切の優越感に浸っていた僕の経験
困った友達に親切にしていた、次第に頼りにされるのが気持ちよくなり。
友達のことより自分を認めて貰いたい、次第にその気持ちが先立ち始めた。
友達から連絡が来なくなり、メールの返事も無くなった。
親切は良いことだと思い込み、自分の心の変化、親切が自分に向き始めたことに気がつかなかった。
親切の押売りをしていたのだと、後になって気がついた。
そして
親切で優越感を感じていると、自分を利用しようとする人が引き寄せられてきた。
97歳のエッセイスト吉沢久子さんが語る人づきあいに大切なこと
97歳の吉沢さんは夫と死別して65歳から一人暮らしをしている。
97年という長い人生を歩んでこられた吉沢さんは言う。
人間関係は腹八分でも多い。
特別に人と仲良くしていると、その人のことを何でも知っていなければ気が済まなくなり無遠慮になり、トラブルになることも。
踏み込んで欲しくない境界線は人それぞれ違う、人それぞれの心情を理解せず踏み込んで悪気は無かったでは済まされず
修復不可能になることも。
相手の心に踏み込みすぎてはいけないと吉沢さんは主張する。
「ここまでやってあげてるのに」「なんて失礼な」ではなくて、
そうなのね。私とは違うのよね。
と受け止められれば、大人の付き合いになるでしょう。自分の価値観と、相手の価値観の違いを知り、受け止める。
それが、八分目のお付き合いだと私は思うのです。
(著書:ほんとうの贅沢 81ページより)
長年生きてこられた方も人の心に踏み込み過ぎないことを主張している。
仲が良くてもある程度距離をとることは上手に生きる秘訣なのだろう。
僕自身も心に踏み込まれて嫌な思いをしたことがある
知人の50代の男性MZさんは、親切だが、少々お節介な所があり、親しくなるとだんだんと、土足で心に踏み込むようになって来た。
例えば、性的なクエスチョン。
- 体験人数や付き合った数
- その他に求めていないアドバイス
- 服装についての指摘
- 見た目の指摘
- 作法
- 話し方など
世代が違う的外れなアドバイスや、誰が聞いても失礼だろうと思うアドバイスを、自分自慢と交えながらしてくる困った人だった。
こういう人の周りは、人の出入りが激しい。一見してフレンドリーで親しみやすいので、仲良くなりやすいが、少しずつ土足で心に踏み込み、人が去っていく。
独身の女性に対しても
- 「結婚しないの?」
- 「好きな人いないの?」
- 「変な男にヤリ逃げされないように気をつけてね」
- 「綺麗ですね」
など信じられないようなことを平気で言う。
MZさんは綺麗な女性の容姿を褒めると女性が喜ぶと思い込んでいる。
まず、結婚するか、パートナーはいるか、結婚に悩んでいるか、MZさんには関係ないことだ。
そして、パートナー以外の他人の容姿を褒めるにせよ、指摘するのは、たとえ美人やイケメンであっても不愉快な思いを相手に与える恐れもある。
それを言われた女性の空気が変わったのがわかったので、間違いなく引いていただろう。
彼女は、MZさんと距離を置くだろう。僕も距離を置いた。
他人の心に踏み込んで来る人は自身に劣等感がある
自身に大きなコンプレックがあり、人より上になりたい、大きく見せたい、優位に立ちたいと感じている。
MZさんの場合には、彼は訳あって家族と離れ離れで1人で暮らしており、その寂しさから、頼られたい、教えたい、褒めて欲しい、満たされたい、性的なストレス、支配欲その感情を話しやすい他人に向けているんだと思う。
僕自身も、他人の心に踏み込んでしまったのは、その人の為より、自分が賞賛されたかったから。
だから気持ちはよくわかる。
97歳のエッセイスト吉沢さんの言うように人付き合いは腹八分でも多いのではないだろうか。
求められていないアドバイスやお世話は気軽にすべきでない。
人の心は不可侵領域、興味本位で気軽に踏み込んではいけない。
踏み込ませてもいけない。
親切心の仮面をつけた侵入者は退出願おう。
人の心に踏み込んでくる場面
- 家族のこと
- 経済的なこと
- 子供のこと
- パートナーのこと
- 人間関係のこと
- 仕事のこと
- 身体的な悩み
- 服装など見た目
- 性格的なこと
これらは、踏み込んで来やすい内容だ。幸福な人が絶対しない6つのことにも、「他人に干渉しない」とある。
日本人は特に、日常的に見た目など指摘し踏み込みがちだ。
- 「太った」
- 「痩せた」
- 「顔が小さい」
- 「胸が大きい」
など、海外の人は違和感を感じるそうだ。
考えてみれば、その人が太った痩せたなど、他人には全く関係ないこと。痩せたいから協力を頼まれたわけでもないのに。
他人の心に踏み込まない まとめ
親切心が相手を本当に思ってのことであれば、思った反応や結果がでなくても必ず自分の成長となります。
しかし、親切が自分を思ってのことだと、相手は鬱陶しく感じて離れていく、そういう下心は相手も気づくもので「あざとい」と感じています。
無理して良い人を演じなくてもいいんです。
踏み込まない。
踏み込ませない。
大事ですね。
あなたはどう感じますか?よろしければコメント欄へご投稿お願いします。
それではまた!
吉沢 久子 略歴
1918年東京都生まれ。文化学院卒業。家事評論家。エッセイスト。女性が働くことがごく珍しかった時代に15歳から仕事をはじめ、事務員、速記者、秘書などをへて、文芸評論家・古谷綱武氏と結婚。家庭生活を支える一方、生活評論家として生活者の目線で女の暮らしを考え、暮らしを大切にする思いを込めた執筆活動や講演、ラジオ、テレビなどで活躍。姑、夫と死別したのち、65歳からのひとり暮らしは30年を超えた。