無駄な議論は避ける
議論しない 方がいい場面もある。
そんな考え方が、実は日常を穏やかに生きるためのひとつの知恵なのではないかと、最近よく思う。
日本人は「本音を言わない」「空気を読む文化」などと言われる一方、海外では「言いたいことは、はっきり言う」「ディベートが日常」という声も多く聞く。
たとえば、帰国子女のタレントやインフルエンサーが、海外のオープンな議論文化を日本に紹介する姿もよく見かけるが
海外の現実には暴動や衝突、対立の激化といったシーンも見かける。果たして、「言いたいことを言う」だけで本当に問題は解決しているのか?
それを考えると、「議論しない」という選択も、時には賢い身の処し方と言えるのではないでしょうか。
議論しない 無駄な議論の場面
SNSでは毎日のように「無駄な議論」が繰り広げられてる。
たとえば――
有名インフルエンサーがSNSで、「知人が勝手に連れてきた女性に男性が奢るのは当然か?」と問いかけた投稿が、大きな炎上を引き起こした。
また、山下達郎氏がジャニーズ問題について発言した際にも、「無責任だ」「性犯罪を容認するのか」といった声が飛び交い、冷静な対話からは程遠い状態。
このようなテーマは、そもそも白黒がつくものではありません。それでも、多くの人が感情的に反応し、消耗していく。結局のところ、こうした議論は「酒の席の愚痴」と変わらない程度の価値しかないのかもしれません。
生産性の無い議論にエネルギーを奪われない
ネットやメディアには、刺激的な発言で注目を集めようとする人が少なくない。
- インボイスで困る奴は、才能がないだけ
- ワクチン反対派はゴキブリ
- 貧乏人は税金泥棒
こうした言葉に反応し、議論をふっかけたり、腹を立てたりするのは、実は相手の思うつぼ。
彼らは、感情を揺さぶって拡散されることを狙っている。「論破」という言葉も、もはやビジネスの一部。議論の本質ではなく見世物。
本当に向き合うべき問題があるなら、しっかりと準備して、冷静に、対話を重ねる必要があります。
そうでないものは、ただの“ノイズ”かもしれません。
議論ではなく、情報交換を
もちろん、議論が必要な場面もある。社会を良くするために声を上げることも、時には大切。
しかし、それは「勝つための言い合い」ではなく、「理解を深める対話」であるべきだと思う。その意味で、任天堂元社長・故岩田聡さんの言葉や仕事観に触れられる本『岩田さん』は、学びの多い一冊です。
岩田さんは、相手を言い負かすのではなく、情報交換を通じて相手の懐に入っていくことで、信頼を築いていきました。そうした姿勢こそ、これからの時代に求められる「コミュニケーション」なのかもしれません。
まとめ エネルギーを、大切に使おう
人間のエネルギーは有限です。
だからこそ、「何に反応するか」「どこに時間を使うか」を選ぶことが、自分自身を守る第一歩です。
無駄な議論に振り回されるより、信頼できる人との会話や、意味ある情報交換に時間を使いませんか?そのほうが、きっと心も豊かになります。
それではまた。
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ほぼ日刊イトイ新聞に掲載されたたくさんのインタビューや対談、そして任天堂公式ページに掲載された「社長が訊く」シリーズから重要なことばを抜粋し、再構成して1冊にまとめました。
天才プログラマーとして多くの名作ゲームを生み出し、任天堂の社長としてニンテンドーDSやWiiなど革新的なゲーム機をプロデュースした岩田聡さんの、クリエイティブに対する思いや経営理念、価値観、ポリシー、哲学などが凝縮された本です。
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